悪意

2014.04.04 03:41|詩(考)
騒ぎ立てるほどの不幸も無い僕らは
平穏な日常に飼い慣らされて
ぬるま湯の中で生殺しにされる

惰性と申し訳なさで生き続けるけれど
他人はそれを怠慢とは呼べど不幸とは呼ばない

理不尽なことばかりだ

いかにも幸福な家庭の一員であって
悲劇を気取ることは許されない
嘆き事を吐く権利などない、僕らには

ただただ逃避でやり過ごす
物語だけが救いだ
しかしそれは充足ではない
欲求不満の裏返しにすぎない

息をするのが苦しいから
忘れるために、胸の内を空想と物語で満たす
傷に塩と蜂蜜を塗る
出血を止めようとも、もう思わない

腐り果てていく時を静かに待っている
と同時に、壊したい心を押さえ付けている

僕らを見るな

生温かい血液の温度に安らぐ
冷めていく体温に安堵する
そうやって全部を諦めていく

僕らは
不幸ですらない
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