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咀嚼

2011.09.26 13:54|散文
食べるということはどういうことなのだろうと、ふと考えることがある。特に空腹を感じないままにものを食べている時などは。

例えば今、目の前の皿に太巻きが並んでいる。様々な野菜や魚介類が含まれた、見た目にも鮮やかで美しい食べ物だ。
わたしはそれらを、何の感慨も無いままに箸で摘まみ上げ、口へ運び、咀嚼、呑み込む。その極めて単純な作業を繰り返す。ただ決められた食事の時間を費やし、飢えないでいるために。

そこでわたしはふと疑問を抱く。どうして目の前の皿からものが消えていくのかと。
わたしの目に見えているのは、わたしの手で太巻きが皿から箸へ乗せられ、自分の顔の前に接近するところのみである。自分の口へ入れられるところも、咀嚼される様子も、呑み込まれる場面も、わたしには見えない。ただそうなのだと感じているだけだ。ましてやその後の消化及び排泄の過程などは、ほとんど勉学による知識ばかりである。
箸が太巻きを掴む。わたしに寄る。消える。皿から太巻きが消えていく。箸という媒体が間に入ることで、その現象は極めて他者的に感じられる。しかし、食べているのは自分のはずだ。

そこでわたしは、わたしの食事の様子を鏡で観察することを思い付く。そしてすぐに、半ば本能的に、その考えを否定する。自分の食事の観察。想像しただけで嫌悪感に近い拒否が生じる。それはどこか、獣臭さを感じた時に催す吐き気に似ている。わたしも動物の一種であり、生物なのだというある種の気色悪さ。

考える内に目の前の皿は空になっていた。未だに太巻きの行方はわからない。
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