決別

2011.09.11 22:53|散文
「どうしたらいいの」
 と君は言う。すぐに聞く。
 答えなんか求めていないくせに。
「知ってる」
 とわたしは言う。続けて、君は卑怯だね、とも。
「そうなの。そうなのね」
 君はなんでもない風に言う。まるで他人の噂をするように言う。
 でも、わたしには、それが辛い。
「ねぇ」
 話しかけないでと、空気が唸っていた。わかっていた。君はきっと――。
「やめよう」
 やっぱりそうなのだ。
「やめにしようよ」
「……うん」
 わたしはそこで認めてしまった。あっけなく、いとも容易く。
「ではでは」
「じゃあね」
 言葉の先に、またね、はない。そう、空気が知らせていた。
「でも、例えば」
 わたしは君の背中に、吹きかけるように、投げかける。君の背中が止まる。物のように固まる。
 空気だけが静かに唸っている。
「例えば君は、わたしに出会って、そこに、意味があった?」
「……はっきり言いなよ」
 君はやはり正しかったのだと、わかっていたのだと、そこでわかった。わたしは納得した。
「君は、わたしと、出会って、よかった?」
「――まさか」
 そこで、それは、途切れた。ただ終わった。わたしは想った。
 これでいい、のだと。
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