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2011.09.26 22:21|散文
どうして人々は自分の見た夢を忘れてしまうのだろうか。そして、どうして自分の夢の中で、思う通りに振る舞えないのだろうか。いや、むしろきっとそうだ、剥き出しの心のままに振る舞ってしまっていることに、どうして気付けない?

わたしは今でもその夢を覚えている。しかしそれが、あまりに自分の想像しようとしたことそのままだったので、今ではそれが夢であったのか空想であったのかはっきりしない。
ただわたしはわたしを殺したかっただけなのだ。
わたしはその中で、過去のわたしに会いに行った。袋小路に飛び込んで途方にくれる前に、殺してしまおうと思ったので。
わたしはわたしの部屋に忍び込んだ。恐らく夜のことである。わたしは白い蛍光灯の光の中で、本を読んでいた。今思えば、きっとあれはサロメだった。当時でさえ言葉の海に溺れる意外に、生きていく術を知らなかったわたしなのだ。
あの時、わたしがわたしを見た時、たぶんわたしはわたしが何をしに現れたかわかっていた。それは常々わたしの思考をよぎっていたからである。過去のわたしは、わたしを見ると顔を強張らせたが、ついに来たかと覚悟を決めたようだった。じっとわたしを見詰めていた。憎しみが沸き上がった。
ほとんど反射的に、わたしはわたしの肩を掴むと床に叩き落とした。うめき声。募る嫌悪感。そのまま、うつ伏せたわたしの腹を、横様に蹴りつける。
煌々たる冷たい光の下で、響くのは蹴られるわたしのうめき声と、蹴り続けるわたしの喘ぎ声。空間に充満するわたしの気配に吐き気がし、憎しみの矛先がわからなくなりかける。ただ、ひたすらに、憎い。
わたしは何時までも蹴っては蹴り、時には物を投げつけ殴りもした。やがて反応が鈍くなっても、息が切れても、何度も何度も…。

その内わたしは気付いた。目の前のわたしを蹴る度に、自分の胸までが同じように苦しくなることに。まるで自分自身が攻撃を受けているかのように、息が詰まり、呼吸さえままならなくなる。
そのままわたしは、目の霞んで行くのも構わずに足を動かし続けた。世界はわたしの意識を置いて遠ざかった。それは、いつものように。
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